
尿糖 | ブドウ糖(血糖)は腎臓の糸球体でろ過され、尿細管で再吸収されるもので尿中には見られません。しかし、 糖尿病など糖代謝異常などで血糖値が高くなり、腎臓で再吸収しきれなくなるため、尿中に出てきて尿糖陽 性となります。しかし、過食やストレス、妊娠などによる生理的な 尿糖陽性もあるので、必ずしも尿糖陽性=糖尿病とは限りません。逆に血糖値が上昇している状態でも尿 糖陰性のケースがあり、そのような状況ではHbA1cなどの測定が望まれます。 |
ケトン体 | 肝臓での脂肪酸の酸化により生成され、骨格筋や心筋、腎臓などでエネルギー源として利用されます。糖尿 病や食べ物が食べられない時に、糖の代わりのエネルギー源として脂肪の分解が促進されその結果、ケトン 体が増え尿糖が陽性となります。小児では嘔吐、下痢などで陽性になります。 |
尿潜血 | 尿中に赤血球が出ている場合に陽性になります。その原因として、炎症・異物・腫瘍などにより出血している、 腎臓の障害などにより腎臓から出血している場合があります。 |
亜硝酸塩 | 硝酸塩還元能のある細菌(大腸菌や腸球菌など)が膀胱内で増殖した場合に陽性となります。尿路感染症 (膀胱炎、腎盂腎炎)などが考えられます。 |
尿蛋白 | 健常人でも微量の蛋白は排泄されていますが、尿中に排泄される蛋白の量が異常に多い時に蛋白陽性とな ります。その原因は、腎臓そのものの障害による場合で、糸球体から蛋白が多く漏れる場合、また腎臓以外 の膀胱や尿道などの尿路系の結石・腫瘍などで尿細管から再吸収されない場合があります。しかし、激しい 運動の後や発熱などで一過性に尿蛋白陽性になることもありますが、これは特に心配はありません。 |
尿ビリルビン | ビリルビンとは赤血球が肝臓で分解される時に作られる胆汁色素のことで、通常肝臓から胆汁となって腸内に 排泄され、尿中には排泄されません。尿中ビリルビンが陽性となる原因は、胆汁がうまく排泄できず、血中に ビリルビンが増加して尿中に漏れる尿道閉塞(胆石、胆道ガン)などがあります。また、肝炎などでも肝細胞が 傷害され、ビリルビンの排泄作用が弱まって血中ビリルビンが増加し、尿中に排泄されることがあります。 |