運動療法

糖尿病の治療法の一つに運動療法というものがあります。
ここでは運動をした際の効果と、具体的な方法をご紹介します。

糖尿病の治療に運動が役立つ理由

@ 食事によって得られたエネルギー源(ブドウ糖)が、筋肉の方で使用されるため血糖値の
   急上昇が緩和される
A その結果、ブドウ糖が細胞内に取り込まれる際に必要なインスリンの量を節約できる。
B 運動を長期間続けるうちに、それまで膨らみきっていた内臓脂肪細胞が少しずつ小さくなり
   脂肪細胞のインスリン感受性(インスリンの作用を受けつける力)が向上し、血糖値が上がり
   やすい体質が改善される。


ではどんな運動をすればよいか

あまり激しい運動は逆に血糖値を上げてしまうことがあるので、治療には向いていません。
また血圧の上昇や疲労物質の蓄積などという危険要素が加わるうえに、ケガをしやすく
続ける気力をなくしてしまう恐れがあります。そのため、適度な運動量を考慮する必要があります。

注意点

次の方は運動をすると逆に血糖値が上がったり、合併症の悪化を招く恐れがあるので
運動療法を始める前には必ず医師の指導を受けるようにしてください。

●高血糖が続いている

●血糖値が安定していない

●合併症がある

また内服薬(経口血糖降下剤)やインスリン注射などの薬物療法を取り入れている方は、血糖値が
安定していれば運動をしても支障はありません。
ただし、運動することで血糖値が下がりすぎる(低血糖)ことがあり、その場合には直ちに血糖値を
上げなければなりません。血糖値を上げるものとして、砂糖、マシュマロ、ビスケットなどの甘いもの
必ず持参するようにしましょう。低血糖症状が強く現れると、自分では体を動かすことができなくなる
恐れもあるので、少しでも異変を感じたらすぐに食べるようにしましょう。
エクササイズ教室
気軽にできるものとして、ウォーキングがありますが、これはお散歩程度に歩いていたのでは
あまり効果がありません。できるだけ早歩きを心がけ、少し息が上がるくらい(会話ができるくらい)
ペースで脂肪の燃焼が始まります。
 だいたいの目安は一日30〜40分です。持続して30分は超えないと、これもまた効果が出ないので
根気よく続けることが大切です。