岡部内科クリニック

甲状腺の病気


■甲状腺とは?

甲状腺は喉仏のすぐ下にあり、蝶が羽を広げたような形をしています。大きさは縦4cm 厚さ1cm 重さ15gくらいで、正常な甲状腺は外見上分かりません。甲状腺からは甲状腺ホルモンが分泌され、小児なら均整の取れた体型に成長するために欠かすことができないホルモンですし、成人でも代謝を活発にし、エネルギ−の産生に重要な働きをしています。甲状腺には甲状腺専門の病院、クリニックがあるくらい多くの種類の病気があり、また頻度が高いといえます。

■甲状腺疾患の種類
 甲状腺の病気は大きく分けると甲状腺ホルモン濃度が上昇する甲状腺中毒症あるいは甲状腺機能亢進症、甲状腺ホルモン濃度が低下する甲状腺機能低下症、癌を含む結節性甲状腺腫があります。

1)甲状腺中毒症あるいは甲状腺機能亢進症
 甲状腺中毒症には甲状腺ホルモンの合成が亢進したタイプ(狭義の甲状腺機能亢進症)と甲状腺細胞が破壊され甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てくるタイプ、甲状腺ホルモンの過剰服用によるものがあります
いずれも甲状腺ホルモンが過剰のため脈が速い、汗をよくかく、手が震える、よく食べているのに体重が減るなどの症状がでます。甲状腺機能亢進症の代表的なものにバセドウ病があります。20〜40歳代の女性がかかりやすく自己免疫性疾患のひとつです。病状や年齢により薬物療法、アイソト−プ療法、外科手術療法が選択されます。破壊性甲状腺中毒症や薬剤過剰による甲状腺中毒症は一過性のものですから、症状が強い場合のみその対症療法を行いますが、基本的には経過観察、甲状腺ホルモン過剰によるものは、甲状腺ホルモンの内服休止とします。破壊性甲状腺中毒症には慢性甲状腺炎(橋本病)の急性増悪、亜急性甲状腺炎などがあります。これらは症状が治まった後、甲状腺機能低下に移行することがあり、その際は甲状腺ホルモンを内服する必要があります。

2)甲状腺機能低下症
 甲状腺ホルモンが低下すると脈が遅い、寒さに弱い、疲れやすい、体重が増加する、むくむなどの症状がでます。甲状腺機能低下症をきたす代表的な病気に慢性甲状腺炎(橋本病)があります。橋本病もバセドウ病と同様、自己免疫性疾患で女性に多いという特徴があります。甲状腺ホルモンを内服します。

3)結節性甲状腺腺腫
 甲状腺内に腫瘤ができるもので、プランマ−病のように甲状腺機能亢進をきたす腫瘤もありますが、ほとんどは機能を持ちません。腫瘤が大きくなれば気管の圧排症状や痛み、声がハスキ−になるなどの症状が出ることがあります。良性、悪性の鑑別は画像診断、吸引細胞診などで行います。悪性腫瘍は手術、良性でもプランマ−病や腫瘤が大きく圧迫症状が強いとき、癌が否定できない場合は手術を行います。



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